外資には何が見えているのでしょうか?
外資の森林買収 過去最多373ヘクタール 太陽光発電用地買収が影響
2019年06月30日
外国資本による森林買収面積(2018年度)が373ヘクタールに上り、調査が本格化した2010年以降、最大となったことが林野庁の調べで分かった。兵庫県で、太陽光発電用地として100ヘクタール単位の買収が2件続いたことが影響した。1ヘクタール以上の開発を対象にした林地開発許可制度に基づき県知事が問題ないと判断し、許可された。同庁によると制度上、今後も100ヘクタール超の森林買収が起きる可能性はあるという。
要約すれば外資(ここではアメリカ資本の法人)が森林を買っている。買う理由は太陽光発電用地のためとのこと。
私自身は太陽光発電については普通にニュースに触れる程度の知識しか持っていません。震災直後の太陽光発電ブームが異常で、当初は買取価は高かったものの、年々低下しているというザックリなイメージ。
もちろん、パネルのコストは下がってるので初期コストは下がってるかもしれませんが・・・
太陽光発電業者のサイトを見てみますと、太陽光発電投資の表面利回りは10%前後が多いようです。あくまでも表面利回りなので、年間の売上を初期の設備費だけで割った数字なのかなと思います。
設置する土地代も含まないし、草刈り等のメンテナンスコスト、故障したときの部品交換コストなどは含んでいないのでしょう。
う~ん、土地持ちだったら分からんでもないですが、実質利回り一桁%の投資に何故アメリカ法人が出資するのが謎です。
買取価格は年々下がってきてますし・・・
自治体からの補助金等あるかもしれませんが、まぁ、メインの収益がキチンとしてないとね。
実質利回り数%程度であれば、イザというときに換金性が低い太陽光発電なんかよりS&P500のミューチュアルファンドやリートでも買っておいた方がベターと思います。
普通に考えればですが・・・
私たちには見えない何かが外資には見えているのでしょうか。
農家にとって一番大切な農具はパソコン!宮川洋蘭の成功に学ぼう
2019年4月12日の全国農業新聞で興味深い記事を見かけました。熊本県宇城市戸馳島というド田舎&離島(失礼!)からネットで蘭を売りまくってる宮川洋蘭さんの成功物語です。
私自身九州出身なんですが、宇城市なんて正直聞いたことがありませんでした。そんな無名の町から全国に蘭を販売して成功するなんて・・・
今後、「ここは田舎だから・・・」的な言い訳は一切許されませんね。成功までのプロセスを軽く説明すると次のとおりです。
2004年頃、花を市場に出荷する薄利多売ビジネスを展開
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2007年頃にネット通販に進出。蘭をネットで販売!
ところが、さっぱり売れず、2年間は売上ほぼゼロ
(ちなみに現在、売上の65%がネット販売)。
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2009年10月、長男が生まれ、あまりにも嬉しく誕生記念で「母思い」と名付けたデンドロビュームを販売したところ大ヒット。
月間売上が10数万円→200万円へ。
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半年後、「母思い」が母の日プレゼントとしてさらに大ヒット。
1日500万円の売上を達成(スゴイ!)。8日目には受注過多で販売ストップしたが、この月の売上はなんと5,000万円に(かなりスゴイ!)
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その後、ネットショップをメインに市場出荷、カタログ販売、農場直売、法人ギフト、枯れないボトルフラワー等々で多様化に成功。安定拡大で売り上げは倍増。
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現在は売上10億円、利益1億円、雇用100人を目指している。
スゴイ規模になってきていますが、そんなショップも最初の2年間は売上がほとんど無かったんですね。これはかなりツライ。しかし逆に言うと、この最初の2年間どういう改善策を取ったのでしょうか。対策の全てが失敗したのかな?
さすがに2年間は長いので、もしかしたら、あまり手を打たなくてちょっと放置気味だったのかもしれません。既存の市場出荷は続けていたでしょうし。
とにかく、ネット通販が軌道に乗るまでは、仲間の同業者からは馬鹿にされたそうです。
「農家が運営する蘭のショップなんて誰が信用して買ってくれるのか」
ってね。私なんて逆に農家が運営しているショップから買いたいですけど。
さて、宮川洋蘭さんの大成功はちょっとしたコトがきっかけです。長男が生まれてあまりにも嬉しくてデンドロビュームを「母思い」というネーミングで販売したことです。
イベントに合わせて商品を準備する事なんてネット通販では誰でもやっていることですので、そのこと自体は大したことないんです。やはり「母思い」というネーミングが素晴らしい。
農家の方はこのような考え方はドンドン参考にしていいじゃないでしょうか?うちの野菜は市場に出荷してるから・・・全部農協にお願いしてるから・・・お中元、お歳暮用で販売しているから・・・と思考停止せず、「ホワイトデー商戦で売れないだろうか?」、「七五三商戦ではどうだろう?」、「ハロウィン商戦では・・・」と頭の体操してみましょう。そして良いネーミングが思いつけば、あなたが次の宮川洋蘭になるかもしれませんよ。
太陽光発電と雑草問題
私の通勤は片道約100km。途中、埼玉の田園風景を通るのですが、太陽光パネルを目にします。大抵は畑の横に設置されているようですが、問題はないのでしょうか?
震災後、発電システムの多様化ということで広まった太陽光発電。自宅以外に設置するのは産業用と呼ばれています。買取価格は20年固定、最近は年々下がってるようですので、新規参入はちょっと辛いかもしれませんね。
さて、太陽光パネルの周辺に雑草が生い茂ってしまったら発電効率を下げてしまうことになります。また、雑草だらけでメンテナンスされていなければ、近隣農家からのクレームもすごいことになりそうです。
つまり太陽光発電投資と除草は切っても切れない関係にあります。当社の除草剤営業マン(問屋担当)とその点について話し合いましたので、要点をシェアします。
一般的には除草には草刈り機と除草剤のパターンがあると考えました。
草刈り機の使用の場合:
メリット:
・いわゆる草刈りなので安心感がある
デメリット:
・ケーブルを傷つける可能性
・根が残るので雑草が再生しやすい
・石跳ねでパネルを傷つける可能性
・カットした後の処理コスト
・カットした雑草が風で飛ぶと周辺に迷惑
・夏場の作業は過酷
除草剤を使用した場合:
デメリット:
・無登録除草剤だと安全性の担保に問題あり(農耕地登録があれば比較的安心)
・除草剤は何となく不安
・つぶ剤だと雨で流れ、周辺に薬害を及ぼす可能性
・20年後に原状復帰で土地を返却するときに、無登録除草剤だと土壌の汚染が懸念される(農耕地登録があれば安心)
・水の調達に難ありのケースがある
・傾斜地での使用に難ありの可能性
・場合によっては空ボトルの処理コストが必要→ エイトアップエコシリーズ(エコパック・エコボックス)をおすすめ
メリット:
・草刈りの専門家が不要なので人件費が割安
・農耕地登録がある除草剤であれば、安全性がある程度、担保されている
・簡単に雑草が再生しないよう抑制期間がある
・農耕地登録がある除草剤であれば、ソーラーシェアリング(太陽光パネル下で耕作)にも対応
という感じでしょうか。丁寧な作業と体力に自信がある方は草刈り機でも大丈夫だと思いますが、そうでなければ除草剤をおすすめします。
価格だけを考えれば農水省の登録がない、中国産が超激安です。ただし周辺農家の事や土地を返却する契約の場合はちゃんとした農水省の農耕地登録がある除草剤をおすすめします。無登録の危ない除草剤と比べて数百円高くつきますが、たった数百円で近隣農家にもちゃんと説明しやすい商品の方が良くないですか?
ちなみに私が勤務している会社の除草剤(エイトアップといいます)は愛知県の太陽光発電会社などに、200Lドラムが売れているとの事でした。
庭の雑草には除草剤のエイトアップと言いたいところだが・・・
この時期になると庭の雑草が気になる方も多いと思います。やったことある人は分かると思いますが、草むしりは超重労働です。
ホームセンターに行けば様々な除草剤が販売されていてますが、何を選べばいいのでしょうか。私は価格的にも手軽さでもグリホサート剤をおすすめします。バスタのグルホシネート剤もかなり良い除草剤なんですが、いかんせん高い。
グリホサート剤で有名なのはモンサント社のラウンドアップ。この時期、テレビCMをガンガン流してます。でも、ラウンドアップ買うくらいなら、私が海外から原料調達しているエイトアップをお願いします。価格がラウンドアップの半分以下なのでお財布に優しいです。
<(__)>
ということで、私が勤めている会社が販売しているエイトアップを買っていただくのが一番・・・と言いたいところですが、実際のところ希釈する手間がかかります。農地、工場、ソーラーパネル設置場所など散布面積が広いなら、問題ないでしょうけど・・・
でも、家庭の庭だとジョウロなどの容器も別途準備しなくてはいけませんので、面倒かもしれません。その点、既に薄めてある除草剤(AL剤と言います)なら、
買う→開ける→散布する
だけなのでとっても簡単です。
あまり広くない庭でしたら、ちょっと高めですがレインボー薬品のネコソギシリーズなんていかがでしょうか?薄め液ですので簡単に散布できますよ。
ちなみにホームセンターで販売しているネコソギシャワーALやコストカットショワー(@コメリ)は私が勤めている会社が一部製造にかかわっているので、お買い上げいただけると嬉しいです(感謝!)
とにかく、グリホサート系のAL剤なんて800~1,500円くらいですので、草むしりの苦行からご自分を解放してあげてください。
米・野菜農家はどのくらい稼いでいるのだろう?時給は?
結論:お米農家の平均時給は815円、畑作農家の平均時給は1,416円
私は基本、給料は時給換算で考えるようにしています。たとえ高給取りで月給100万円でも朝から深夜まで年中無休で働くようでは時給が低くなります(体も壊します)。
実は東京の板橋に副業用の事務所を借りてるのですが、近所のマイバスケット(イオンのミニ店舗)レジ打ちのバイト時給は早朝・夜間であれば1,200円で募集中。また、最近、都内だと派遣でも時給2,000円以上の案件はけっこうあります。
さて、農家の話。
平成29年度の農水省統計によると水田作経営、いわゆるお米を作っている農家の平均年間所得は・・・
農業粗収益:2,769,000円
農業経営費:-2,073,000円
農業所得:696,000円
です。
【調査結果】水田作経営の農業経営収支
水田作経営(全国平均)の1経営体当たり農業粗収益は277万円で、前年に比べ4.2%増加した。一方、農業経営費は207万円で、前年に比べ2.0%増加した。この結果、農業所得は70万円となり、前年に比べ11.2%増加した。by農水省
お米農家は平均で年間696,000円の所得となります。実はお米農家の労働時間も統計がありまして年間854時間です。農業所得を労働時間で割ると時給が計算できます。
696,000(年間農業所得)÷854(年間労働時間)=814.99円(時給)
時給約815円!
この数字どう思います?お住いの場所にもよりますが、大抵の地域では最低賃金以下になります。正直、中々、厳しい数字だと感じました。
一方、畑作農家ですと
農業粗収益:9,539,000円
農業経営費:-6,061,000円
農業所得:3,478,000円
になります。
【調査結果】畑作経営の農業経営収支(全国・北海道・都府県)
畑作経営(全国平均)の1経営体当たり農業粗収益は954万円で、前年に比べ10.5%増加した。一方、農業経営費は606万円で、前年に比べ1.9%増加した。この結果、農業所得は348万円となり、前年に比べ29.6%増加した。by農水省
上記の農業所得3,478,000円を畑作農家平均労働時間2,456時間で割ると
3,478,000(年間農業所得)÷2,456(年間労働時間)=1,416.12円(時給)
となり、時給およそ1,416円。お米よりも畑作の方が効率が良く稼げるということが分かります。
平均的サラリーマンの中央値ベースでの時給換算1,400円説もありますので、畑作農家だと一見大して変わらないように思えます。
ところがサラリーマンであれば厚生年金や社会保険料などの負担が農家と比べて軽いので(会社が負担)、やはり平均的な農家ですと分が悪い。さらに農家は自然が相手ですので、もし台風などの災害が起きた場合のリスクがあります。
そう考えると平均的な農業をやってる限りは、経済的には生活が楽になりにくい構造にあるのではないでしょうか。
じゃあ、どうすればいいのか?
コストを下げる、売り上げを上げるという、たった2つしか方法はありません。この事について勉強を続けていきます。
参考資料:営農類型別経営統計(個別経営)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/einou_kobetu/index.html#r2
【農家】 おすそわけ文化
私田舎で働いています
私が勤めている会社は埼玉県の深谷市にあります。深谷ねぎと最近では新一万円候補の渋沢栄一の生誕地でちょっとだけ有名な田舎町。
埼玉県北部で車で20~30分も走れば群馬県って所です。時折、肥料の臭いも漂ってきて、なかなかの田園風景が広がってます。私自身、長崎出身の田舎者ですので人が多い東京よりも落ち着くんですよね。
おすそ分け文化?
勤めている会社の大家さんはこの辺の農家で大地主。あまり商売っ気もないのか、農家の習慣なのか分かりませんが、月に数回、農作物の差し入れを大量に頂きます。
名産品の深谷ねぎ(泥付き!)、ホウレン草、などなど。今日はキャベツを頂きました。もちろん社員、工員で公平に分けます。この野菜の差し入れはミニ・ボーナス感覚で家族にもとても評判が良いです。
東京のオフィス勤めじゃ絶対にありえない、田舎勤務ならではの長所だと思います。通勤は辛いけど(涙)
【雑草対策】 最強雑草スギナへの対策
農家にとってやっかいな雑草と言えばこのスギナ!別名「地獄草」のとおり農家にとっては最悪・最強の雑草でしょう。
人がいるところにスギナあり!
田畑にスギナ、庭にもスギナ、工場にも空き地にもスギナ・・・って感じです。
コンテンツ
なぜスギナは厄介な雑草なのか?
スギナは簡単に、そして猛烈に繁殖します。地上に表れているスギナはほんの一部で彼らの本体は地下にあります。その本体から次から次に地上に出てくるんですよね。さらに彼らはシダ類ですので、花は咲かせず胞子を飛ばしてバンバン増えていくという・・・
地上のスギナをカットしてもどんどん増えていくのは、ざっくり言えばそういうわけなんです。
スギナ対策としてグリホサート剤は効果的
スギナ対策だとラウンドアップなどのグリホサート剤が有効です。葉から吸収して根まで枯らすタイプの除草剤ですね。ジェネリック品のエイトアップもグリホサート剤なのでラウンドアップ同様に効果的、しかも価格は半分以下です(エヘン!)。
エイトアップをまくと、このスギナが・・・・
ちゃんと枯れました!
ただしスギナは強敵なのでグリホサート剤であっても、濃い目に作らなければいけません。スギナの隣に生えてるたんぽぽは100倍希釈で枯れます。しつこく、がんこなツユクサでも50倍希釈で枯れます。
ところが最強伝説スギナ・・・
こいつだけは25倍希釈でないと跳ね返されてしまいます。雑草界のキング・オブ・キングス、最強の敵なんです!本気で戦いましょう。
土筆と地獄草は兄弟
ちなみに、つくし(土筆)とスギナ(別名、地獄草)は同じ植物の別の部位って知ってました?スギナは上記写真のとおり緑の細い雑草で栄養茎と呼ばれています。
一方、つくしは胞子茎と呼ばれ、春先に目を出し、胞子を飛ばした後は勝手に枯れますが根はスギナと同じなんです。この胞子がやがてスギナになるので、つくし見つけたら引き抜いて、天ぷらにして食べちゃった方が良いかもしれません。